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しずかなデザイン
仕事柄いろんなWebサービスに触れるが、最近のサービスはスッキリしたデザインのものが多い。トーンが統一されていて情報が整理されている。色を使いすぎず本当に重要なところだけ強調されている。大事な箇所が一目でわかるのは優れたデザインの条件の一つだ。
逆に、ひと昔前はデザインが優れていて感動していたサービスでも今見ると古く感じるときがある。デザインにもトレンドがあり、リリースした状態のまま留まっていると古くなってしまう。真面目な頭で考えると、見た目のリニューアルよりも新しい機能を追加した方がサービスや事業が成長するという計算になりやすい。デザインの良し悪しは数字で計りづらく効果も予測しづらいから。しかし扱っている課題や他社の状況にもよるが、感覚的には良いデザインには強い競争力があると思う。
最近は静かな空間を作りたいと思っている。罫線だらけのサイトや文字ばかりのサイト、コンテンツがぎゅうぎゅう詰めになってるサイトは例え中身が良くても居心地が悪い。テキストや画像がロードされるまで四角形や円を代わりに配置しておくスケルトンローディングという手法がある。ロード中は波打つようなアニメーションで図形の色が変化する。頑張って読み込んでいますよ感を伝えるのには一役買っていると思うが、画面いっぱいにスケルトンローディングがあると騒がしく感じる。もっと落ち着いたローディングで良いし、さらにいうと読み込み速度が高速な方が良い。表示の高速化や機能の使い勝手など、デザインは装飾だけでなく本質に絡んでいる。
Web"サービス"と名がついているが、一流ホテルのサービスと比べるとまだ遠い。余白のある落ち着いた空間で信頼感がある。スタッフは親切に教えてくれるが押し付けすぎない。困ったらなんでも相談できて、聞けば詳しく教えてくれる。小さな感動があり、そこに滞在したことを誰かに伝えたくなる。また訪れたくなる。こういった体験をWebサービスでも実現したい。落ち着いた空間、知りたいタイミングで教えてくれる情報設計、色使いや言葉遣いから信頼感を感じられる。ちょっとした工夫に感動し、何度も来たくなる居心地の良い場所。サービスづくりのヒントは普段の観察から得られる。