RiversideというPodcast収録ツールを使いはじめた

2024/10/03

趣味の他に、会社でもPodcastをしている。会社の雰囲気やどういう人がいるのかを知ってもらいたくて始めた番組で、毎回ひとつテーマを挙げてそれについて雑談するような構成。最近週一での定期更新を目指してみることになったが、定期的に続けるにはできるだけ運用を楽にしたいと考えた。

一番簡単にしたいと思ったのが録音の部分。これまでは参加者が各々のパソコンで録音し、それを後から編集ソフトで合体させていた。この手順は慣れた人には良いが、初めてPodcastを録音しようという人にはちょっと手間になる。自分の声が入らないようにイヤホンをつける必要があるし、収録した音声ファイルがパソコンのどこに保存されるかを探すのも地味に難しい。普段のオンライン会議のように普通に話せば収録できる、そんなツールはないかと思って調べるとRiverside.fmに行き着いた。

Riverside.fmはSpotifyが提供するサービスで(過去に買収したらしい)、Podcastの収録に特化している。ホストがスペースを立ち上げ、そこにゲストをメールやURLで招待する。レコーディング開始ボタンをポチッと押すだけで録音は開始され、参加者全員の音声が個別に録音される。まさに探していたツールのように思う。試しに20分ほど収録してみると、これが想像以上に便利だった。

まず、録音したファイルは参加者ごとに分けて録音される。波形が色違いで表示されていて、誰がよく話しているかが一目でわかる。さらに自動で発話が文字起こしがされ、話題が切り替わったタイミングを自動で検知してセクション分けし、そのセクションに相応しいタイトルをつけてくれる。ここまでで既にすごい。音声の編集で面倒なのが、一部分だけカットすること。内容が間違えているとか、勘違いを誘うセリフがあったとき、その部分はカットしたい。しかし音声は全体感を把握しにくいので、該当箇所を記憶を頼りに探して見つけ、何秒から何秒までをカットしたら良いかメモし、カットした後に問題ないか聞き直すステップが必要になる。これが地味に手間だが、Riverside.fmでは文字起こしされたテキストを削除すると該当する音声も連動して削除される。つまりテキストをざっと見て問題がありそうな箇所を削除していくだけで期待する音声ファイルが得られる。ちなみにテキストも発話者ごとに表示され、音の重なりもテキストのレイアウトによって表現される。同時に喋ってしまって聞き取りづらい箇所もすぐ特定できる。痒いところによく手が届いている。

先日編集していると、録音したファイルにかなりノイズが乗っていることに気づいた。後ろでずっとザザザという音が鳴っていて本編の会話が聞き取りづらい。調べてみるとMagic Audioという機能があり、これを使うと自動でいい感じにノイズ除去、さらに話者ごとのボリュームに差がある場合は自動調整してくれるらしい。こういった機能は従来のツールでもよくある機能ではあると思うが、Riverside.fmでは滑らかな体験として提供される。Podcast録音に特化したツールとして、そのために必要なことは何でも深掘ってやります、という意思が伝わってきてうれしくなった。

最近は動画つきのPodcastも増えてきて、Riverside.fmもデフォルトでは動画ありで収録される(オーディオのみに設定変更できる)。個人的には散歩や家事をしながらPodcastを聴く時間が好きなので、映像なしで楽しめるコンテンツのままではあって欲しいと思う。でも時代の流れには逆らえないので、数年後には普通に動画つきでPodcastを楽しんでいるかもしれない。

技術で何かの敷居が下がるのは素晴らしい。趣味の方のPodcastを始めたのも、元々はAnkerというスマホアプリで簡単に収録できるようになったことがきっかけだ。いろんなトピックを誰でも話せ、それを耳元で距離感近く聞けるPodcastは完全に自分の好みにハマっている。もっと流行っていろんな番組が増えて欲しいと願っております。