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Official髭男dismのライブに行った
ヒゲダンのライブに行ってきた。会場は名古屋。Rejoiceというアルバムが最近出て、そのツアーライブが全国5ヵ所で開催されている。音楽のライブ自体これまで数回しか行ったことがなく、ヒゲダンを見るのは初。期待と不安が入り混じりながら参加してきた。
不安から書くと、ある時から大きな音や光が苦手になり、普段はそういう場所を避けて生活している。音楽ライブは大音量を楽しんでナンボの場所で、ステージの演出としても光が瞬くようなものも多い。ステージからかなり離れた席なら大丈夫なのでたまにフェスに行くときは後方から観るようにしてるのだが、今回は座席チケット制でかなり前の方が当たってしまった。ほとんどの人にとって喜ばしいことだと思うが心境は複雑で、自分のコンディションで最後まで楽しめるのか、こんな自分が良い席で見てよいのかなど色々考えてしまっていた。
結論からいうと大変楽しめまして、あっという間に2時間少々が経過。座席は予想通りかなりステージに近かったが、そのブロックの一番後方かつ列の端の席で、周りのスペースに余裕がある & 出ようと思えばいつでも会場を出られる環境だったのがデカかった(こういう場所だと気が楽)。また会場では音を和らげるイヤーマフが配布されていた。大人に比べて敏感な子供の耳を守るための配布に見受けられたが、その列に混じって大人の私もゲット。大音量に身体が慣れるまではつけて、少しずつ環境に順応していけたのも体にはよかった。
Rejoiceのアルバム曲は結構予習していったので、最近聴き始めたにわかファンの自分もほぼすべての曲でアガれた。私はアーティスト問わず激しい曲よりゆったりしたバラード調の曲が好きなのだが、ライブでは手を叩いたり一体となって盛り上がれる曲の方が好まれている気がする。バラード曲はそんなに盛り上がるポイントがあるわけじゃないし、自分の好きな曲がライブで演奏されてその曲をもっと好きになった!みたいな経験はこれまでなかった。しかしヒゲダンはゆったりした曲でも展開があり、サビでは声を張り上げ、なんというかどの曲もライブ映えした。ボーカルのさとっちゃんが「僕たちはライブが本当に好きで、曲を作ってるときもこれをライブ歌ったらどんな感じになるか考えている」的なことを言っていて勝手に納得。どの曲もより好きになった。
個人的なハイライトはSubtitleで、曲に入る前のMCでSubtitleの成り立ちが話された。「大切な人が困っているとき、助けてあげたいけど自分ではどうしようもないことがある。仲間や友人が悲しみに打ちひしがれてるのに自分は無力、そんな心情を描いた歌」。このMCの後にSubtitleを聴くと確かにすべての歌詞がそう感じる。友達が傷ついてるとき、無理に良い雰囲気にしようとポジティブに振る舞いすぎて変な感じになったり、相手を救える言葉を言ってあげたいけど適切なものが見当たらなくて辛かったり、そういうのって人生やってるとありますよね。2番の歌詞に「イルミネーションみたいな不特定多数じゃなくてただ君に届いてほしい」的な歌詞があり、良いものと表現されがちなイルミネーションが比較級の下側に置かれていて面白いなと思っていたが、これも「正しさより優しさが欲しい」。世の中では不正解とされても目の前のあなたを救う言葉を言いたい、そういう文脈で聴くとより深みがある。ヒゲダンの歌詞はどの曲もめっちゃ難解だが、その中ではSubtitleは意味を理解できているほうだと思っていたのでさらなる扉が開いて驚かされた。
その日の会場は1万2千人が来場していたらしい。ひとりの人間が考えた曲や歌詞を1万2千人が一緒に歌う。手を挙げたり体を動かしたり歌ったり、各々が好きに音楽を楽しんでいる空間にいれて、とても良い時間でした。