数珠つなぎで本を読む

2024/10/13

8月頃から読書熱が高まっており、そのまま途切れることなく読書の秋に突入した。読みたい本を絶やさず手元に確保するために、定期的に本を買っている。

本を買う一番のきっかけは友人の紹介で、直接聞いたりブログを読んだりPodcastを聴いて、紹介されている本を買う。個人書店を応援したいのでメモしておいて本屋で買いたいが、急ぎの場合はAmazonでポチることもある。本を読んでいるとそのなかで別の本が引用されていたりする。そこで気になったものもメモして買う。こんな感じで数珠繋ぎで本を読んでいく。

本を紹介する本というのもある。「千年の読書」は生きづらさ・食・幸福などの章に区切られ、テーマごとに様々な本が紹介される。単純な列挙というよりは語りながらいろんな本を紹介していくような文体なので次々と読みたくなる。こういう本を起点に新しい本と出会うのも良い。「経営読書記録 表」はビジネス本版の紹介本だ。著者の楠木さんは錚々たるビジネス本の帯コメントを書いたり翻訳したりしている。その楠木さんが読んだ本のなかから特に印象深いものを紹介する。選書というと小説やエッセイなどが多い印象があるが、この本で紹介されるのはゴリゴリのビジネス本、しかもどれも上質なもので素晴らしい。ビジネス本は多く出版されているが、すぐに使えるテクニック!みたいなものではなく長く自分の中に残る本を読みたいと思っている。玉石混合のビジネス本のなかで、確かな目で選書してもらえるのはありがたい。

自分のために誰かが本を選んでくれるというのに憧れて、本屋の選書サービスを利用したこともある。毎月自分に合うと思われる3冊程度の本が定期的に送られてくる。まるで違うジャンルの本を読めたりして面白いかなと思ったが、あまり読みたいと思える本が届かず3ヵ月ほどで解約してしまった。これはもっと自分の興味関心を理解してくれている人にやってもらうと面白くなりそう。昔テレビで老夫婦が経営するローカルの本屋さんが取り上げられていて、そこで子供向けに絵本の選書をするというのがあった。年齢にあわせていま読んでおいてほしい絵本を選び、その感想を聞いてまた次の本をおすすめする。その選書がとても人気という話だったが、これの大人版が欲しい。たとえば今は政治とか国会とかの仕組みを学びたいが、なかなかエントリーで何を読めば良いかわからない。そういう相談相手がいるだけでも読書のとっつきやすさはかなり変わる。

気になったものはとりあえず買うことにしてるので、いわゆる積読状態になる。積読にはなってて全然良いと思う。ふとした時にあるジャンルの本を読みたくなる。そのタイミングはまちまちなので、そういう気持ちになったときにすぐ手を伸ばせるよう手元にいろいろ準備しておく。突然興味がなくなって、その分野はもうお腹いっぱいになることもある。そのときはもう読まずに置いておくか、スペースがなければ友人にあげるなりすれば良い。ちょっと読んで自分に合わないなと思ったらそこで読むのをやめたりもする。一冊一冊絶対に読まないといけないと思うと息苦しくなるので気楽に読み替えるようにしている。人には読書体力的なものがあるらしく、自分の読書体力はそこまで高くはないので超難しい本は選ばないようにしている。ページ数もあるが翻訳本とかドキュメンタリーとかは体力が必要。エッセイや技術本とかはスラスラ読める。一番読みやすいのは芸人のエッセイ本で、ハライチの岩井さんやかまいたち山内さん、ぼる塾日記などは読書に戻ってくるきっかけになった。こういう本は他人にも薦めやすい。

読書体力でいうと、一日に読みたくなる文字数は決まっている、みたいな話を昔どこかで聞いたことがある。仕事でたくさんメッセージをやり取りしたり、何かのドキュメントを読み込んだりした日はあまり本に手が伸びない。考えたり体を動かしたりした日は読みたくなる。そういえばXから距離を置くためにアプリを消したりおすすめフィードを非表示にしたりしてから本を読むことが増えた気がする。単純に時間が増えたためだと思っていたが、触れる文字数が減ったというのも影響しているかもしれない。適当に流れてくる情報で文字カウントを消費するのではなく、自分が読みたいものを読むようにしたい。