意見の作り方、好奇心の作り方
自分の意見や感想を伝えるのは難しい。思っていること、感じていることを言語化するのには練習が必要。そのためには本や作品のレビューなど誰かが書いたものに触れ、自分の感情にしっくりくるものを探していく。それを繰り返すと自分の感情はこう言語化できるんだというピースが集まる。ピースがたくさんあると自分の感情をストレートに人に伝えられるようになる。
好奇心はその逆で、人が本来備えている。子供の頃は外を探検したり絵を描いたりと好奇心のままに行動する。それが危険なものを避けたり、社会的規範を身につけたりするうちに行動は狭まる。同じ失敗を二度しないように注意深くなるのはよいが、やりすぎると自分の本来の気持ちを封印することになる。その職業で食べていけるのか、どうすれば安定した生活が送れるのか、頭で考えることと好奇心に従うことはベクトルが異なる。好奇心を妨げるものに自覚的になること。自分の好奇心にフタをしているものが何なのかを理解し、それは本当に必要かを考える。絡みついたものを剥ぎ取れば好奇心は自然と生き返る。
社会で調和を重んじていると思っても言えない言葉がある。空気を悪くするとか、自分固有の拘りだから言うまでもないかなとか。それでも浮かんだその言葉は自分自身のもの。人に言えないことは紙に書く。周りの反応が怖くても自分がそう感じたことは真実。書き留めておけば風化させずにすむ。
最近、辻村深月さんのエッセイ「あなたの言葉を」を読んだ。小学生に向けて語りかける構成で、あの頃のモヤモヤをきれいに言語化してくれる。子供の頃は人に優しくしたくても上手くできなかった。真っ直ぐそれをやると友達にからかわれてしまいそうで、周りに合わせることを重視して自分を曲げていた。内心をそのまま出力できるようになったのは最近のこと。子供には子供の社会があったのだなと読みながら思い出した。誰かが困っているときに言葉の力は助けになる。気持ちに合った表現ができるように、ピッタリの言葉を集めていきたい。