Feedback Loop
スマホのない時間をつくる
先日友人のPodcastを聴いていると、昔は地下鉄で携帯の電波が届かないエリアがあり、その区間では本を読んでいたという話をしていた。今ではどこでも繋がるのが当たり前に思えるが、確かに数年前はあの路線は電波が悪い、みたいな話をしていた気がする。どこでも繋がるのは便利さを追求した結果だが、それがスマホ依存を加速させていたりしてもう自分には何が正解かはよく分からない。
iPhoneが流行り出した頃、スマホアプリといえばコミュニケーションやツール系のものが多く、日常を便利にするための機器だった。そこから数年経つとゲームアプリが台頭し、ソシャゲやガチャなどが社会的に熱を帯び、マリオなどの人気タイトルもスマホで遊べるようになる。私はiPhoneのアプリを作る仕事をしていたのでAppleの発表は毎年よく見ていたが、この頃はゲームのための機器としてプレゼンされるシーンが多かった。
もう少し時間が経つと次は動画で、みんなYouTubeを見るようになった。これは通信速度と通信容量(ギガ)の改善が大きく寄与しており、外出先でもスマホで動画を見ることが当たり前になっていく。YouTuberという言葉を初めて聴いたのは2013年。その頃YouTubeは「好きなことで、生きていく」というコピーで大きくプロモーションしており、働いていたビルの商業エリアでイベントが開催されていた。自分はまったく知らなかったが一緒にいた先輩はいつも見ていたらしく、その面白さや魅力を教えてもらったのをよく覚えている。
現在では動画もさらに改善され、ショート動画というスキマ時間によりフィットする形も発明された。エンタメはツールの利用よりも基本的に時間を使う。世のトレンドに身を任せているとまとまった時間をつくるのは難しいので、意識して空白をつくる必要がある。食事中は視界に入らないところにスマホを置く、電車では本を読むかDuolingoをする、寝る時は寝室にスマホを持ち込まないなどを実践してみる一方、お風呂でスマホを見ているときもありまるで一貫していない。最近はスマホから離れたくなったら岩盤浴に行っていて、これはかなり良い。ただ、浴室内にスマホをこっそり持ち込んでスタッフに注意されている人などもいて、スマホ中毒の恐ろしさに改めて気付いたりもしている。