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「ラブ トランジット2」を観た
「ラブ トランジット2」を観た。恋愛リアリティーショー番組で、男女各5人が1ヵ月くらいホカンスして関係を深め、最終日に告白して両思いなら恋人を作って帰るというもの。最大の特徴はXという要素で、これは元カレ元カノを意味する。つまり参加者のなかに昔付き合っていたパートナーがいるが、それが誰なのかは周りに気づかれないように行動する。Xの新しい恋にモヤったり、Xとの復縁を願ったり、新しい恋愛というよりはXとの過去の恋に区切りをつけるために参加したり、このシステムのおかげで他とは一味違ったつくりになっている。
バチェラー・バチェロレッテは真実の愛を見つけるというコンセプトで、1人を15人くらいが取りあい、一番良いと思える人を最後選ぶ仕組み。徐々に人数が絞られていく要素は見ていておもしろいが、最後まで残った一人と付き合っても番組が終わってから別れる・婚約解消する・別の女性と浮気するなど、短い期間でいきなり恋愛のボルテージをあげる難しさに世間が気づいてきている気がする。その点ラブ トランジットは元恋人という関係性を持ち込んでいるので、短い期間でも深い付き合いになる場合がある。実際ラブトラのシーズン1では結婚するペアも出るなど、恋愛番組の方向づけとしてはかなりうまくいっている印象。
さて、ラブトラのシーズン2。内容は面白かった。Xが誰なのか予想しながら観る謎解き要素や、綺麗な街や自然の映像、そしてなにより編集のうまさで何度も唸らされた。普通は10人(5カップル)もいると視点が散らばってしまうが、ラブトラのスタッフは時系列をうまくいじりながら1カップルずつフォーカスしていく。この技術が他の恋リア番組に比べて頭ひとつ抜けていて、驚いては数秒戻って再確認、を何度もした。ただしこれは諸刃の剣でもあって、編集過多になると視聴者の思想を操れてしまう(番組が見せたいように出演者の印象を決定できる)。また、どの関係性にフォーカスするかで番組の進行がまるで変わるので、そこのセンスが問われる。実際シーズン2でよく抜かれていたカップルがいたが、無用に長く扱われすぎだとX(旧Twitterのほう。ややこしい)で多くコメントされていた。誰を主役にするか、誰を悪者にするか決められてしまう難しさを表している。
シーズン1との違いでいうと、MC陣のコメントがVTRにオンタイムで被せられるようになっていた。シーズン1のときはVTRをある程度見て、一区切りついたあとにスタジオ映像に切り替わってそこまでの感想を話していた。シーズン2ではVTRをみながら副音声的にコメントするようになっていて、それができるようMCも麒麟の川島さんや指原さんというコメントの瞬発力の高い人選になっていた。個人的にこれはかなりネガティブで、映像をみながらコメントしたりツッコんだりするのは視聴者がやる仕事だと思う。面白くはあるが、MCがコメントするとそれで完結してしまい視聴者が参加できる余白が少なくなっているように感じた。Xが誰かを予想したり整理しながら観るのが結構難しいのでそれを解決するためのアップデートかなと推測したが、できればシーズン3では副音声のON/OFFを選べるなど改善を期待。ちなみに今回のシーズン2で一番笑ったのはスンギの「アニョハセヨったら飲み干せよ」とまさとの足ギターです。