手書きで日記を書く

2024/09/27

このFeedback Loopとは別に、人に見せない日記を書いている。自分の心を落ち着かせるために書いているもの。日常を生きてて嬉しいとかムカつくとか心が動いた瞬間を短文でメモしておき、夜か朝にそれを見返しながらザーっと書き出す。このやり方は2, 3年続いていて、しっくりきている。「ずっとやりたかったことを、やりなさい」で紹介されるモーニングページという手法と、昔NHKの特番で見た植本一子さんの日記の書き方に影響を受けている。

日記帳は作らず、そこらへんのノートとか紙とかに書く。iPhoneのメモアプリに書くときもあれば、iPadのノートアプリにApple Pencilで書くときもある。なので過去の日記がどこにあるか自分でもわからない。昔のノートを見返したとき、仕事のメモの合間に急に日記が出てきたりする。読み返してみると意外と面白かったりするので、日記を一箇所に集めたいモチベーションが湧いてきた。

そこで作ったのが日記アプリ「Relief」で、心が動いた瞬間を短文で記録する機能と、それを見ながら長文の日記を書く機能を搭載している。iPhoneで書いてもiPadで書いても同期されるようになっていて集約できる(Apple IDを使って繋げている)。ただ、これまでのReliefはキーボードで書く必要があり個人的にテンションが上がりきらない部分があった。

日記を書くには手書きが良いと思っている。これは上記のモーニングページでもそれは言及されている。その時のコンディションや精神状態は文字の形にも現れる。それがわかる手書きの方が自分の内面を書き出すには適しているとのこと。これは納得だし、あとはやっぱり手書きの方が人間にとってより慣れ親しんだ手段というのがある。キーボードで書くと漢字の変換を選ぶとか、入力を確定するときとかに余計な雑念が発生する。脳内を書き出しているときはこういう雑音はできるだけ排除したい。手書きで自分の思うまま、時には枠をはみ出すなどして自由に書きたい。

そこで、Reliefに手書きモードの機能を追加した。手書きモードではApple Pencilを使って手書きで日記を書ける。iPad限定。日記を書く時にキーボードが手書きかを選べて、同じ場所に保存される。これは自分が求めていた体験。時間があるときは手書きしたいが、出先や電車内で書くときはiPhoneのキーボードが手軽。好きな方法を選べて保存場所は同じ。自分の欲しいものが作れた感覚がある。

ちなみにこの機能追加、なかなか大変だった。Apple Pencilでの描画自体もそうだが、ペンの太さはどれくらいが良いか、画面が回転して手書きノートの方向が変わったときにどうなるか、ノートの背景はどうするか(ドット・グリッド・無地から選べるので落ち着いた)、iPadで書いた手書きの日記をiPhoneで表示する際はどう見せるのが自然かなど。色々考えてチューニングしていく。一部、諦めた機能もある。手書きを文字認識してデジタルのテキストに文字起こしし、それを検索できるようにしたかったが途中で断念した。技術的にはできたのだが、文字認識の精度やどのタイミングで文字認識を実行するかなど、納得いくラインを達しなかった。まぁ元々脳内を書き出すことが大事で、振り返りには重きを置いていない。後から追加できることもできる機能だし、と割り切って今回のリリースからは見送った。

細かいバグを潰してリリース。本当はApp Storeに掲載されるスクショでも手書きモードの存在を紹介したかったが、もうモチベーションが枯渇しかけてたのでそのままリリースした。Webサービスはスクショとか利用規約とか、メインの機能ではない付随するコンテンツの準備が大変だったりしますね。まだまだ追加したい機能もあるので、それもReliefの手書き機能で書き出してみます。