「からまる毎日のほぐし方」を読んだ

2025/03/21

からまる毎日のほぐし方」を読んだ。著者の尾石さんはVoicyの人気パーソナリティらしく、年齢やキャリア、人間関係などの「からまり」を一つずつほぐしていく形式のエッセイ集。年齢が30代、40代、50代と移ろうにつれ直面する問題も変わっていく。ミドルエイジの悩みとそれをどうほぐすかの考えが述べられていて引き出しの数を増やしてくれる。

いくつか印象に残ったエピソードを書く。「できるけど疲れるもの」に注意するという話。「できない」に比べて「できるけど疲れるもの」は軽視されやすい。表面上はできるし周りからも上手だねと言われたりするが、自分的には実は苦手なもの。そういうものはエネルギーを食い尽くし、いずれは疲れ果ててしまう。頻繁にマッサージに行ったり週末にリベンジ夜更かしをしたりと自分のメンテナンス時間が多い人は要注意。気付かぬうちに疲れてしまっている可能性がある。

毎日予定が詰まっていて忙しいとき、その予定は誰のためなのかを分析する。誰かのためのミーティングや予定で時間が埋まっているなら、それは忙しいというより心が寂しがっている。起業家など、自分の意思で忙しくている人は忙しいなりにその状況を満喫できている。自分の意思で決めた状況であれば受け入れられる。

お金の価値。一瞬の贅沢ではなく日常のささいな不便を取り払うことにお金を使う。作中の例では子供の自転車のチェーンが剥き出しになっていて、ズボンに当たってよく汚れてしまう。自転車屋さんに行くと処置はできるが5,000円かかる。我慢することもできるが、こういう小さな我慢から解放されるのがお金の良い使い方。豪華な外食をするよりも、ゴチャついているクローゼットを100均のアイテムを買ってきて整理する方が満足度は高い。

社会人歴も十数年となり、健康や生活、人間関係など直面する壁の種類も変わってきた。キャパオーバーする時もあるが、焦らず急がず、一つずつほぐしていく姿勢でいたい。