ギブアンドギブ
ギブアンドテイクは「人に与えた分だけ自分に返ってくる」の意。しかし見返り前提のギブではスケールが大きくならない。自分の利を考えるのではなくただ与えるギバーになれ。人に与える意味を解説する「GIVE & TAKE」では人をギバー、テイカー、マッチャーに分けて整理する。
テイカーは自分の利を追求する。同僚にアドバイスをすることもあるが自分の意図が多分に含まれているので信頼は薄い。マッチャーは自分が与えるものと貰うものを五分五分にしようとする。相手の出方に合わせて助けたりしっぺ返ししたりする。悪いやつではないがまず相手の出方を窺うので行動は遅くなる。ギバーは困ってる人を積極的に助けようとする。見返りを求めないその姿勢は職場に好循環をもたらす。
ギバーは人のために動くが、厳密にはさらに二つに分けられる。一つは自己犠牲タイプで、自分を下げてでも周りを立たせる。自分のエネルギーは消耗しどこかで疲れ果ててしまう。もう一つは利己的タイプで、人を助けることでむしろ自分のエネルギーが充実する。一見不思議な感じがするが、私たちの生きる空間はゼロサムゲームではない。人に優しくしたり親切にしたりするとオキシトシンという幸せホルモンが分泌される。誰かの役に立っているという実感は私たちの活力になる。
利己的なギバーがしんどくなるのは他者に尽くしすぎたからではない。困ってる人をうまく助けられなかった時に消耗する。ギバーはその性質から他人を勝たせるために自分の勝利を手放すことがある。客観的に判断したいときは「もし友人がその立場だったとしたら」と考えると良い判断ができる。自分という主語を剥がすことでバイアスを避けることができる。
ギバー、テイカー、マッチャーはどれか一つではなく一人の中に混在する。ある場面ではギバーだけど別の場面ではマッチャーになる。それは所属するグループによって変わることが多い。ギバーのいる空間では自分も何か手伝いたくなるのでギバーが増えやすい。自分がいまどの状態にあるのか?この3つの整理は覚えておきたい。