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エンジニアの日記帳。ものづくり、プログラミング、読書などについて書いてます。

現実逃避としてのプログラミング

2024/11/04

フラストレーションが溜まったとき、息抜きが必要。仕事のプレッシャーやプライベートの問題。ストレス解消のために遊んだり、たくさん食べたり、人に話を聞いてもらったりする。そういうストレス解消法のひとつに創作がある。

以前、家の引越しが予定通りに始まらず、午後2時の予定が午後7時開始になったことがある。待ち時間は5時間。しかもちょっとずつ時間が後ろ倒しになるため、家には居ないといけない状況。段ボールに囲まれて快適に過ごすのも難しい。なかなかモヤる状況だが、パソコンだけは手元にあったので黙々とコードを書いた。以前から作りたかったサイトがあったのでそれを作る。デザインを考え、必要となる技術を調べながら作る。夢中になっていると5時間はあっという間で、引越し業者が来たときも「もうちょっとコード書きたかったな」と思う。時間を潰すときはこうやって待ち時間以上に時間がかかるものに取り組むのがコツだと思っている。5時間で大体形になり、少し整えて翌日にはリリースした。

前職で勉強会を主催したことがあり、それは社外から250人が集まるエンジニアイベントだった。数ヶ月かけて色々準備していたが、イベント当日に台風が直撃。朝に中止の案内を出したがそれに気づかず会場に来てしまう人がいるかもしれないので受付で半日ほど待機することになった。自分含めて3名で待機していたが、ただ待っているだけでは暇すぎる。折角なのでアプリでも作ろうか、と時間潰しに作ったのが「ALPACA」というアプリだ。

ALPACAは写真整理アプリで、スマホのカメラロールにある似ている写真を自動で並べ、一番写りの良いものを選んで残りをすべて削除するというコンセプト。子供や猫の写真など、ベストショットを求めて連写する機会があると思う。そして連写しているスマホの容量がすぐいっぱいになる(特に当時は)。そこで写真整理を効率よくできてると便利なのではないか、という話になり作ることになった。

近くにあったホワイトボードを持ち出し、画面構成や必要な機能を書き出す。滑らかに使えるように体験を設計する。そうこうしていると半日はすぐ過ぎ、待機時間が終了。解散してもよいのだがもう少し話したくて近くのカフェに入り軽く延長戦をした覚えがある。その日に作り切るまではいかなかったが、台風直撃という出来事がなければこの3人で作ることはなかったと思う。後日リリースしたALPACAは思った以上に気に入ってもらえ、いま見たら3,000件以上レビューがついている。ありがたい。Twitterで紹介されてバズったり、自撮りユーザーにウケて韓国のAppStoreランキングで1位を取ったこともある。いろいろ面白い経験をさせてくれた。

人生やってると色々と嫌な出来事も起き、それをどこかにぶつけざるをえない時もある。創作はその受け皿のひとつだが、他のストレス発散と違うのは後に残るということ。悲しい気持ちや辛い気持ちを一時的に忘れられ、さらに作ったものが後で誰かの助けになったりもする。やりきれない気持ちの向き先として、創作はとても優れている。