『「謙虚な人」の作戦帳』を読んだ

2025/04/27

「謙虚な人」の作戦帳』を読んだ。日本でも話題になった『「静かな人」の戦略書』の続編といえる内容。喋りが上手く前に出たがる人が有利な世界のように思えるが、その中で引っ込み思案の人たちはどう戦うか。静かな人の〜は以前読んで面白かったので今回の新作も読んだ。

謙虚な人の脳内はどうなってるのか?それはただ目立つのが苦手なだけでなく、リスクを察知したり、完璧を求めたりする性質のために前に出づらくなっている。控えめであることが悪いわけではないが、ビジネスでは自分の成果を主張したりサービスをアピールしたりすることが必要な場面もある。そんな時の心構えを本書は教えてくれる。

例えば「完璧を求めすぎるのを辞める」。調査ではCEOの80%が自身の力不足を感じているらしい。外からは上手くいっているように見える人でも踏ん張っている。自分のコントロールできるものとできないものを分けて考える。自分の作った資料が間違えていればそれは「失敗」だが、そのプレゼンの後別の会社が選ばれたとしたらそれは「確率」。自分のできる範囲でベストを尽くそう。完璧な人を見ると何か騙されているのではないかと不安になる。多少失敗したり抜けている点がある方が人間らしい。「人は自分に完璧な姿を求めている」と思う必要はない。

SNSでの身の振り方についても興味深い。SNSの使用頻度が高いほど自己不信に陥りやすいというが、それでも仕事柄SNSに触れないといけない場合もある。特にWeb界隈ではXの影響力は大きく、自分も作ったサービスの宣伝などに使っているのでこの葛藤はよく分かる。著者のメッセージとしては「何か投稿したり返信するにしても1日10分あれば終わる」というもの。確かに投稿など能動的に使うのは10分程度で、残りはダラダラとコンテンツを消費してるに過ぎない。SNSでの時間の使い方は改善していきたいと思っているので指針となった。ちなみにSNSで目立つのに抵抗がある場合、自分ではなく知識やサービスにフォーカスしてメッセージングするというのも書かれている。自分のスキルを顕示すると居たたまれない気持ちになる。作っているものや、自分が調べて気づいたことをシェアするくらいの使い方がちょうどよい。