「本を出したい」を読んだ
「本を出したい」を読んだ。本が出版されるまでの流れ、企画書の作り方、本を出したい人がどうすれば良いかをまとめた一冊。ネットには意外とこういう情報がないので体系的にまとまっていて面白い。自分もZINEを作ったり(超簡単なもの)、この日記を本の形にしようと考えたことがあったので興味があって読んだ。
まず、本の出し方として大きく2パターンある。ひとつは著者のネームバリューで出すもの、もうひとつはテーマ先行で決まるもの。前者は何かで有名になった人が出すものなので対象外。後者のテーマ軸のものは、まず面白そうなテーマが決まり、次にそのテーマで書けそうな人が探される。そのテーマでネットを調べた時に自分の名前が出てくるようになっているとチャンスがある。Xでもnoteでも自分のホームページでも媒体はなんでも良い。「そのテーマに通じている人」という印象を与えられると声をかけられる可能性が上がる。
良い文章を書くポイント。読んだ人が著者の見聞きしたものを追体験できるように書くこと。景色や様子などを細かく伝えられると読書体験が豊かさになる。そのためのコツとしては「登場人物が見た順に文章を並べる」こと。理路整然と並べるのではなく、目にした順序で物事を描くことで臨場感が出る。
全編通して感じたのは本を書くこともまた課題解決であること。誰か困ってる人がいて、それを解決する手段を提示することで本を買ってもらう。課題がないところに本を書いても売れないし、解決策がその人オリジナル過ぎても手に取られない。みんなが抱えているモヤモヤを、誰でもできそうな方法で解決すると価値が生まれる。この図式はWebサービスを作るときと同じだ。「本を出したい」という気持ちはあったが、これまでその大きなモチベーションは自分の表現をすることにあった気がする。そうではなく、誰かの課題を解決する方向でテーマを絞る方が出版には近いのかもしれない。本書の中で「生き方」のような漠然としたテーマの本は「巨匠タイトル」と呼ばれている。誰が言うかが重要で、そのため新人が手を出すジャンルではないとのこと。このブログは好きなことを自由気ままに書き散らかしている。本ではなく自分の発散場所としては巨匠タイトルでも良いとは思いたい。