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フィリピン その2
夏休みにフィリピンに行ってきた。街中を散策して見たのは多くの野良犬で、道路沿いやショッピングモールなどいたるところに犬がいた。
ガイドブックを読んでいると必ず書かれているのが野良犬への注意であり、噛まれると狂犬病と向き合うことになる。狂犬病は日本では根絶されているが海外では普通にある怖い病気。前情報では「野良犬は人を怖がっているので基本的に人から離れていきます」とあったが実際は全然そんなことはなく、側道でのんびりしてたり、食事する人々の足元で寝てたりする。人も怖がって避けるというよりは気にせず過ごしているように見えた。
犬が好きで、犬たちが幸せに暮らせる世の中になってほしいと思っていて、数年前からピースワンコ・ジャパンさんに寄付をしている。ピースワンコ・ジャパンさんはNPO団体で、殺処分ゼロを目指し、保護した犬が過ごせる環境をつくったり里親を探したりする活動をされている。いずれはこの分野で働きたいと考えており、エンジニアやプロダクトマネージャーの経験を活かし、Webの力を使って活動を支援できるような動きをしたいと思っている。昔しんどかったときに犬に助けられたので、その恩を返したいという気持ち。
フィリピンに行って揺らいだのは、狂犬病の野良犬や貧富の差など、人の命に関する社会課題がまだまだあるということを目の当たりにしたこと。知識としてはあったが自分の目で見るとまた違う。優先度をつけてはいけないものだが、人の命がまず守られないといけないのでは、と自問することになった。こうやってグローバルでみると様々な社会課題があるなかで、自分が取り組むのは犬の保護活動で本当に良いのか?狭い視野で考えてしまっているんじゃないか、という自問。これは旅行中に何度も考えることになった。
いろいろと考えたうえでの自分の結論としては、それで良い、である。いろいろな社会課題があるが、それに優先度をつけるのはそもそも難しいし、自分が興味・関心がある範囲でやれば良い。ジェンダーだったり教育であったり、気になる課題は人によって違う。関心の高い課題に取り組む方が良い結果が得られやすいと思うので、各々が自分のできる範囲でできることをやれば良いと思った。そして自分が関心があるのが保護犬の活動なので、それをやる。
ビジネスでも世界の課題を並べて課題感の大きいものから着手していくのではなく、身の回りの困っている人を助けることや、世の中に必要だと自分が強く感じるものを作ることから始まって会社ができたりする。そして会社が大きくなったら他の課題領域に取り組んだり、社会貢献活動を行ったりすることもある。まずは自分から見えている課題に取り組む。その道中で他の課題を知ったり自分の興味関心が移ったら、それをやれば良い。逆算ではなく積み上げ式で良い。こんな感じで自分の中では落ち着いた。あとは、インパクトの大きい課題といっても人によって感じ方はまちまちだし、当事者でないものが課題感の大きさを測るものではない気もする。自分に見えてるところからやるので良いのかなと思っています。