Feedback Loop
人の顔色を窺わず自分の心に従う
フルリモートワークで働いて数年経った。通勤がない、好きな場所に住んで働けるなどメリットは多々あるが、他のメンバーとの距離が一定で保たれるというのも自分にとって大きい。
昔から周囲の人が考えていることを察知してしまう性質で、それが活きる場面もあるが大体は余計な心配になってしまう。不機嫌な人、うまくいってない人がいるとその人に共感しようとして色々考えてしまう。不機嫌の理由が自分にあるのではないかと自分の振る舞いを検証してしまう。大人になってからは「各人の機嫌は自分でコントロールするもの。もし何か自分に非があれば言ってくれるはず」と割り切るように意識していたが、リモートワークでかなりモードが切り替わった。人が近くにいないので物理的に顔色を窺うことができない。そうしたら自分の仕事に集中するか、といった感じ。
周りへの配慮をオフにすると、自分に使える時間が増える。自分の仕事の意義を整理したり、集中が切れたタイミングで体を動かしたり、自分が一番パフォーマンスを発揮できる習慣を探したり。そうやって自分と向き合う時間が増えたのは自分にとって大きく、出社していた頃とはまた違う社会人生活が送れている。自分の内面を知る行動のひとつとしてコーチングをお試しで受けたことがある。コーチは私の話を聞いて「あなたはFollow Your Heartを大事にしてるんだね」とまとめた。そういう分かりやすいフレーズで括ることに抵抗はあるが、確かに自分の信じた道を選ぶ方が成功しても失敗しても幸福度が高いとは思う。
もちろんリモートワークにも負の側面があり、人がいないことで孤独感を感じたり、周囲からの刺激が少なく視野狭窄に陥ったりすることもある。どの働き方を選んでも良い面悪い面があるので、そこは工夫していくしかない。例えば仕事中に雑談のための時間を取るとか、近くの人に声をかけてご飯に行くとか。リモートワークという一番大きな石を入れて、それだと届かぬところを他の小さな工夫で埋めていく。
ここで書いた周囲の人を気にしすぎてしまう性質も、同僚との飲みの場で言語化されたことだ。自分一人で探求する道は限界がある。自分の大切なものは明確にしつつ、人から影響を受けることも大事にしたい。