映画「ブラックベリー」を観た

2025/03/13

映画「ブラックベリー」を観た。携帯端末のブラックベリーを作った会社の話で、小さなスタートアップが急成長し、やがてiPhoneの登場により凋落するまでを描いたストーリー。規模は違うが同じ業界で自分の仕事と似ている部分もあり共感を挟みながら楽しく見れた。雰囲気としてはFacebookをテーマとした「ソーシャル・ネットワーク」、Spotifyをテーマとした「ザ・プレイリスト」に近い。

元々は二人のエンジニアが創業し、社内の雰囲気はまさにエンジニアカンパニー。仕事中にゲームをしたり夜にみんなで映画を観たりと牧歌的。実力は確かで作る製品はすごいが売れない。そこにやり手のセールスマンが参画することで時代が動き出す。会社が成長して外部から人材を登用が進み、ビジネスのボスが来るあたりで会社の雰囲気が変わる。映画を観る会は廃止されて仕事中に遊ぶメンバーは解雇される。作業効率はあがるが遊びはなくなりエンジニア文化が壊れていく様がリアル。

自分は10年以上アプリ開発を作る仕事をしていたのでジョブズのiPhone発表のスピーチは何度も観てきたが、作中のブラックベリーの社員はそれを絶望とともに見ることになる。メンバーの動揺、お客さんの態度の変化、そしてプロダクトの目指す先に迷いが生じて事態は混迷していく。

一世を風靡し、そして凋落していくブラックベリー。しかしジョブズもかつてはAppleを追い出されてるし、成功と失敗は常に表裏一体なのかもしれない。個人的には初期のシーン、プレゼンを冷やかに聞く顧客に対して決して喋りが上手くないエンジニアが高度な技術知識を話し始め、そのまま場の空気を一気に掴んでいくシーンにグッときた。見せ方よりもまずは内実が評価される世界であって欲しい。

映画は史実に基づいていて面白いし、プロダクト作りの雰囲気を掴めるので興味がある人はぜひ。Netflixなら無料で観れます。