好きなものを好きという
漫画を読むのが好き。いろんなジャンルを読むが、世間で人気でも自分にはハマらないものがあったり、逆にまったく聞いたことがないけど面白い漫画があったりする。人に伝えるとき、そこで話題に出すのは好きな漫画だけでいい。インターネットなど不特定多数の人に見られる場では特にそう。これは本でも映画でも同じことがいえる。
この考え方は元々「アル」という漫画メディアのメッセージで教わった。曰く「自分の好きな漫画が嫌いと言われてると悲しい。面白くない漫画は放っておいても終わることになる。じゃあ話題にするのはみんなの好きな漫画にしよう」のような内容だったと思う。確かに何かを上げるために別の何かを下げる必要はない。自分の好きを表現していけば、その積み重ねで自ずと人気漫画になったり打ち切りになったりするはずだ。何より漫画は多様さが素晴らしい。自分が理解できないからといって他の人でもそうとは言えない。悪評が先行して読むべき人が読む前に判断してしまうのは悲しいことだ。
漫画に限らず映画や音楽などのエンターテイメントは、その人の経験してきたもので好き嫌いが分かれやすい。仲の良い友人がオススメしていて、それを楽しみにして読んでも全然面白くないこともある。感性が近いのになぜ、と不思議に思ったりするが、読んできた漫画の数、漫画のジャンル、絵のタッチ、セリフの言い回しなど変数が多くて重なりづらいのだろうと思う。最近は「天国大魔境」を楽しく読んでいる。石黒先生は人気作「それでも町は廻っている(通称 それ町)」で感銘を受けてそれ以来大好きな漫画家だが、それ町をオススメして同じように絶賛してくれる人がなかなかいない。日常に推理、笑い、感動、時系列の要素などあって本当に名作と思うのだが、これもまた人によるのだろう。AIが進化して期待したいのは漫画のレコメンド。絵のタッチやストーリーからなど、なんでも良いが自分がまだ読めてない面白い漫画を教えて欲しい。人気ランキング以外で新しい漫画を知るのは難しい。AIの特徴は究極のパーソナライズといわれる。当日の気分や人生の局面など、いろんな状況を理解した上でいま読むべき漫画を教えて欲しい。