AIエージェントに頼りすぎて自分の頭を使えなくなってきている
AIエージェントに指示を出してソースコードを書いてもらい、それがちゃんと期待通り動いているか確認までしてもらう。これは未来の予想ではなく現時点で十分実用的になっている。自分はCursorというAIエディタを使っているが、遅かれ早かれ似たようなサービスが各分野に登場する。マーケのAI、セールスのAI、デザインのAI。実装する速度は本当に10倍早くなるのでアイデアに溢れる人には良い時代かもしれない。思い浮かべたもの、自分が欲しいものを簡単に作れるようになる。プログラミング自体が好きだった人には物足りない時代かもしれない。チャットでAIに指示を出すだけというのは、これまでのソフトウェアエンジニアの体験とあまりに違う。
さて、現時点ではまだまだ人もコードを書く状況だが、開発していてエラーになったらAIに聞くようにしている。エラーの理由、どう修正すれば良いかの方針決め。ほとんどの場合はすぐに解決できるが、週末コードを書いていると穴にハマり、まったく前進できなくなってしまった。やりたいことをAIに伝えても修正できない。AIはネットを調べて無理やり修正しようとするが、それも間違っていて、なんとか動かそうと別の策を試して、それも違っていて…という感じ。結局2時間ほど試行錯誤したが解決できなかった。
今時点ではこういうことは普通にある。怖いのはAIの能力不足ではなく自分の方で、エラーになるのに何度も似たような指示を出してうまく行かないか見守るようになってしまった。以前であれば自分で解決するしかないので原因を分析して、考えられるパターンを出して、ひとつずつ試すことをしていたはず。複雑なプロジェクトで起きるエラーは理由が分かりにくい。シンプルな別プロジェクトを作り、そこで問題がありそうな処理をひとつずつ移植して動くかを確かめ、原因を追求するのがよくある手順だったはずだ。
しかし今では、この別プロジェクトを作って試す工程が面倒くさく感じてしまう。AIへの聞き方を変えたり情報を追加で与えたらすぐ出来そうだな、という目先の誘惑に抗えない。トータルでは実装の速度はかなりあがってるのだが、自分の頭でいうと深い思考ができなくなってるかもな、と実感する機会となった。
ちなみにこのエラーは翌日に解決した。シンプルな別プロジェクトで試したら30分くらいで解決した。AIが解決できなかったのはこのエラーについての情報がインターネット上にあまりないことが影響してそうだ。AIの性能はどんどん上がっているが、人間が質の高い指示を出せるかどうかも生み出されるものに影響する。