「No No Girls」が面白い
最近No No Girlsというオーディション番組を観ている。女性グループのオーディションで、プロデューサーはちゃんみな。「No」と否定されてきた、痛みを抱えた人たちが参加する。ちゃんみなは体型や容姿ではなく歌やダンスの表現で選考する。
ちゃんみな自身も元々ガールズグループを目指していたらしく、オーディションに参加しては落とされるのを18回繰り返してきたらしい。結局今は個のアーティストとして成功しているが、Noを突きつけられてきた時期の苦しさはよく知っている。オーディション番組は厳しくジャッジされるものが多いようだが、ちゃんみなのかける言葉はどれも優しい。努力を認め、才能を引き出してくれる。オーディションなので途中で脱落する人もいるのだが、そういった人たちにも落ちた理由を誠実に伝え、今後どうしていくべきかの相談にも乗る。オープンで誠実な態度に学ぶポイントが多々ある。
審査ではダンスの振り付けを作ったり自分たちで歌詞を書いたり、実際の曲づくりの過程が見れて面白い。参加者のレベルはとても高くてパフォーマンスのたびに歌もダンスも感動する。素人の自分目線だとこれでなぜ今まで落ちてきたのかと思ってしまうが、アイドルとして売り出すにはスキルだけではない部分もあるのだろう。オーディションに落ちてきた経験、君には無理だと言われた経験は心に突き刺さっていて中々抜けない。スキルが高くても自信を持てず、自身を愛せない。そんな参加者たちにちゃんみなは「自分のやってきたことを自分が肯定する」大事さを説く。今ある歌やダンスのスキルは頑張ってきた成果。過去の自分に中指を立ててはいけない。
ちゃんみなの見抜く力にも感銘を受ける。歌やダンスの表現の部分はもちろん、日常的なストイックさが足りないとか、表現の幅が狭いのでもっといろんな音楽を聴いた方が良いとか、一人一人をよくみて気づいた点を言語化してフィードバックする。自分が特に好きなのは「自由になるには一度型にはまらないといけない」という言葉。自分のやりたいスタイルにこだわるあまりアドバイスを取り入れづらくなっていた参加者にかけた言葉だが、どの道でもいえる真理だと思う。やりたいことをやる、自由に表現するためには一度型にハマる必要がある。そしてこれはSKY-HIが言ったものだが「自分の輪郭を塗りつぶす作業が必要」という言葉。自分はこれ、と決めつけず色々な曲を聴き表現にチャレンジする。これはしっくりくる、これは違うと振り分けるうちに自分らしさの輪郭が見つかる。それは思っていたよりも大きいかもしれない。この作業をせずに自分を固めてしまうのは勿体無い。
いま5次選考で次が最終審査。ここまで残った人はさすがにみなレベルが高い。楽曲発表は毎回ワクワクさせられる。毎週金曜に配信でYouTubeで見れるので、興味があればぜひ見てください。