余白をつくるとアイデアが湧く
2025年からマイナンバーカードと免許証が一体化するというニュースを見た。情報流出したときのインパクトは大きくなってしまうが、基本的に持ち物が減ることは良いことだと思う。最近はちょっと出かける分には財布を持ち歩かなくなった。コンビニやスーパーはどこも電子マネーが使えるし、個人のお店もPayPayに対応してるところは多いし、電車はモバイルSuicaで乗れる。スマホだけ持ってれば大方問題なく、手ぶらでどこにでもいけるのは心地よい。
最近は余白や余裕の大事さをよく考える。例えば新しいサービスを作るとき、時間を多めにとって落ち着いたカフェとかでノートに小一時間考えてることを書き出すとけっこう良いアイデアが浮かぶ。仕事やプライベートで行き詰まったとき、公園を散歩しながら何に悩んでるのかぶつぶつ口に出すと折り合いがつけれたりする。逆にミーティングや用事で日常がパンパンになってるとき、ひと息つく余裕がなくてただ目の前の作業をするだけになる。物事を俯瞰できなくなる。
「ずっとやりたかったことを、やりなさい」では、人間には創造性が本来備わっており、それをいかに解放するかという話が繰り返し出てくる。どうやって創造力をあげるかではなく、本来ある創造力を堰き止める要素をどう解放していくか、という方向で考える。そのために幼少期に植え付けられた価値観を掘り起こして向き合ったり、自分の創造性を信じ直すためのワークをやったりする。自分的には机のまわりや部屋を片付けておくとアイデアに良い気がしている。人間はふと目に止まったものを考えてしまう。未払いの公共料金の紙とか読みかけの本とかが目に入るとそのことを考えはじめてしまう。スマホは視界に入るだけで、何も表示されてなくても20%ほど注意を取られるらしい。目に入らないところに置くか、画面を伏せて置くようにしている。
Netflixの「アート・オブ・デザイン」は毎回いろんな分野のデザインについて語る番組だが、シーズン2にInstagramのチーフデザイナーの回がある。デザイナーのイアンは京都を定期的に訪れるらしく、その目的について「インスプレーションをもらうわけではない。頭や心のなかを整理する。するとできた余白にインスピレーションが湧いてくる」と話している。アイデアは外ではなく内から見つかる。見てきたものや考えてきたことが、染み出して現れる。
昔は良いものを真似て、その組み合わせがオリジナリティだと思っていた時期があった。「コピーキャット」などそういう理論を書いている本もある。それもひとつの真実だとは思っていて、例えばユーザーインタフェースを考えるのに必要なのは引き出しの数な気がする。ただ、根幹のコンセプトのところは個性というか、自分がどういうのが好きか、何が気になってしまうかなどを突き詰めた先にあるものだと思う。ブルーボトルコーヒーの創業者の方がインタビューで、もし日本に生まれていたらカフェではなく喫茶店をやっていたと思うと言っていた。自分のルーツに沿ったものをやることは、創造としても強いし長くも続けやすい。