「DIE WITH ZERO」を読んだ
「DIE WITH ZERO」を読んだ。お金を貯める節約術ではなく、死ぬまでにちゃんと「使い切る」ことに焦点を当てた本。売れすぎて逆に手が伸びなくなっていたが、長時間移動する機会があり空港の本屋で購入。パラパラと機内で楽しく読んだ。
まず根本として死んだらお金はもう使えない。ならば死ぬまでにすべて使い切ることが良い使い方だ、というのが著者のメッセージ。実際死ぬ間際に「もっと働きたかった」と後悔する人はいない。年齢を重ねると身体の健康的にできないことも増えるし、気持ちとしても20代・30代の頃ほど活発に動く気が湧いてこなくなる。お金をひたすら貯めるのではなく適度に使って思い出を作る。思い出は何度思い返しても楽しい。そういう経験のためなら喜んでお金を使うべきだと続く。
お金を使うといっても浪費すれば良いわけではない。必要なのは経験を買うこと。それも「その時々に相応しい経験」を積む。ユースホステルで見知らぬ誰かと一緒に泊まるのは、若い頃であれば良い経験だが、高齢になってからでは中々楽しめない。その時にしかできないことがある。自分にとって必要だと思えば動くべきである。とはいえ、老後にも生活があるのでそれは計画に入れておくべき。著者の見立てでは「毎年の生活費 × 寿命までの残りの年数 × 70%」があれば十分とのこと。これは運用して資産をある程度増やせることが考慮に入れられている。
一番面白かったのは子供への相続の話。よくあるのは死後に遺産を相続することだが、これでは子供が50〜60代になっておりタイミングが遅すぎる。お金の価値を最も享受できるのは25〜35歳。そうであれば子供がその年齢になったときに生前贈与する。自分が老後に必要な金額を把握し、それ以外は次の世代に渡してしまう。お金は便利だが増やし続けることが必ずしも幸福ではない。自分にとって何が価値あることなのかを見極め、お金をうまく使えるようになっていきたい。