自分の部屋
2025/04/21
三兄弟の末っ子に生まれたので自分ひとりの部屋を持つのは遅く、高校生の途中くらいまで兄と二人部屋の状態が続いていた。初めて自分一人の部屋をもらったときに嬉しかった記憶はない。なんとなく同じ空間に人がいて、そこで勉強をしたりゲームをしたり、二段ベッドで寝たりするのが好きだった。
大学の頃に実家の建て直しがあり、その間は仮の家で数ヶ月ほど過ごした。その頃には兄は二人とも家を出ていて子供部屋は自分だけ。メタリックなラック棚にテレビやコンポなどを並べて自分の自由にできたが、その部屋どう過ごしていたかはあまり覚えてない。大学生になってあまり家で過ごさなかったのもあるが、一緒に遊ぶ相手がいなくなったのも大きかったような気がする。
本などを読んでいると自分の子供部屋を手に入れたときの高揚感が描かれているシーンがあったりするが、自分にとってはそれは少し寂しいタイミングだったりする。兄と歳が離れていたのもあり、先に二人は大人になってしまい、自分だけが子供のまま取り残されたような感覚が社会人数年目まであった。最初から一人でいることよりも一緒にいた人が去って一人になる方が寂しい。今ではたまに実家に集まるとゲームをしたりする。昔ハマったゲームも最新のゲームも、同じように笑って楽しんでいる。