良い日を増やす

2025/01/27

ゾーンに入る EQが導く最高パフォーマンス」を読んだ。集中したバッターは稀にボールが止まって見える。極限まで集中したその状態をゾーンと呼ぶが、ゾーンに入るの非常にレアで目指しにくい。本書ではその一歩手前、「オプティマルゾーン」を目指すことを推奨する。オプティマルゾーンとは「良い日を過ごせたな」と満足できている状態のこと。オプティマルゾーンはゾーンよりも具体的で目指しやすい。

どうすれば良い日を過ごせるか?一日の終わりに自分は全力を尽くしたと思えるように過ごす。大勝利でなくていい。重要な一歩でなくていい。ただ「自分にとって大事なこと」が捗ればそれで十分良い日だといえる。良い日を過ごせると精神的にも充実し、さらに良い仕事ができる。ゾーンに入って一発ホームランよりも、この良い日の連続を目指していく。

オプティマルゾーンに入りやすい条件もいくつかある。ひとつは人間関係が良好なこと。同僚に親切にしていると良い日になりやすい。次に、取り組む課題の内容。課題に全力を出せるかどうかは、自分の能力とのバランスよりも、課題への取り組み方を自分で決められるかどうかの自由度に関係する。最後に集中しやすい環境であること。深く没頭していると自然とゾーンに近い状態になる。注意散漫になる要素を減らし、マルチタスクを避けて目の前に没頭する。集中した状態では仕事のパフォーマンスだけでなく自分への自信が高まり、他人からどう見られるかの自意識から解放される。

オプティマルゾーンはEQと関連が深い。EQは心の知能指数で、チームや組織で働く上ではIQよりも重視される。その正体は自己理解と他者への共感で、自分の状態を適切に管理し周りを慮るマインドセット。毎朝早起きして長いランニングをしたり、感情に支配されて失敗した時を振り返って「次に同じことがあったらどうするか?」を考えたりする。心地よいと思える日の条件を知り、「今日は良い一日だったな」と思える日を増やすことを目指したい。