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シンプルな文章を書く
「Simple 「簡潔さ」は最強の戦略である」という本を読んだ。私はシンプルという言葉が好きで、本のタイトルにそれが入っていると大抵買ってしまう。本の著者はアクシオスという会社の創業者で、アクシオスは短く要点をまとめたニュースレターで一躍有名になったオンラインメディアらしい。短く簡潔にというのがポリシーで、本の内容も仕事術というよりは文章の表現に関するものに多く触れられていた。
コンテンツに溢れ、すべての情報に目を通すことはできない時代になっている。その中で読むべきニュースと、「なぜそれが重要か?」を短文にまとめて配信する。この形式は現代の情報収集にとてもマッチしている。ただしこれは情報収集の効率化においては有効だが、小説やエッセイなど文章そのものを楽しむケースにおいては適用すべきものではないので注意したい。ストーリーや日記を要約してしまっては大事なエッセンスがこぼれ落ちてしまう。
このWeb日記を書き始めてから、脳内で考えたことをそのまま書き出すことに興味がある。そうなるとタイトルの付け方や見せ方、文章をいかに削るかといったことは重視しなくなってきているが、仕事関連の文章ではそれをすべきだと感じた。「文字を削るのは読み手に対する誠意」と本にはあるが、確かに同じ情報量を得られるのであれば短い時間で読めるほうがよろこばしい。
実践で真似したいと思ったのは、文章の構造としてひとつのパラグラフは2から3文にする、箇条書きを使う、太字や図表を入れるなどして流れを細かく区切るというテクニック。長い文章を集中して読める人は限られるので、こうして細かい単位でリズムをつけるのは重要。あとはWebの場合は読みやすいフォントサイズや行間を保つことも大事であろう。どれだけ良い内容でも詰め込まれすぎた見た目だと体力を余計に消耗してしまう。
Webサービスにとってもテキストは重要な要素だ。最近はUXライティングというカテゴリで本が出たりもしているが、「秒で伝わる文章術」は要点がまとめられていて学びやすかった。キャッチコピーは印象に残ることを目的とするのに対し、UXライティングは記憶に残さず自然な形で行動をアシストする。YouTubeやTikTokの消費が増え文字を読むのがますます難しくなった現代だからこそ、短い文章にまとめることの価値は高まっている。