夏休み2025
今は週3勤務のフリーランスとして働いているので、会社が定める夏休みというものは特にない。お盆の時期もいつも通り働いていたが、その合間を縫って実家に帰ったり友人と麻雀したりした。
実家に帰っていつも驚くのは甥っ子・姪っ子がデカい。昔は一緒にゲームなどしていたが、気づくと甲子園球児と同じくらいの世代になってる。会話の内容ももう大人と同じで、私がしているWebの仕事はどういうものかと尋ねられた。
「スマホアプリやパソコンで使うWebアプリを作ってるよ。いまAIの進化がすごくてプログラミングといっても手を動かさずチャットだけで作れたらするんだけど、そういう変化に慣れるのも大変なのでその手伝いみたいなこともしてる」と答えた。実態の3割くらいしか表現できてない気がするが納得した様子だったので良いとしよう。
麻雀の会ではこの日のために作った点棒計算アプリをお披露目した。最初に使い方を紹介して使ってみる。アニメーションや細かい使い勝手など、こだわった点がとても良いと言ってもらえてうれしかった。実際に使ってみると足りない機能や自分では気づけなかったバグも見つかる。このメンバーでの集まりは年3回あるので、次回に向けて改修することにする。自分や友人が便利だと思うものを作れてうれしい。エンジニアになった頃の初心を思い出した。
ロボット掃除機をポチった
ロボット掃除機を買った。Ankerの「Eufy X10 Pro Omni」というモデルで、まだ上があるものの高級路線のひとつだと思う。友人のPodcastや知り合いのクチコミで1年前くらいから気になっていたが、持っていたハンディ掃除機が壊れたタイミングで購入。たまたまAnkerのセールで25%オフになっていてお得に購入でき、届くのを楽しみにしている。
調べた感じでは2cmまでの段差なら乗り越えることができ、一度発動したらすべての部屋に行ってくれそう。カーペットの上に乗ったら強力モードに切り替わり、フローリングは水拭きしてくれたりと商品紹介的にはかなり良さそうに見える。ロボット掃除機が働くためには床にモノを置かないようにする必要があり、それで副次的に部屋が片付くようになるという話もよく聞く。以前ロボット掃除機を使ってたのは5年前ほどのBravaなので、そこからの技術の進化が楽しみだ。
週末に人がやるよりは週3回ロボット掃除機が綺麗にしてくれる方が綺麗な状態を保てる。ドラム式洗濯機や食洗機もそうだが時間と余裕を買うのに近い。その浮いた時間で何をするのかというと結局YouTubeを観たり麻雀をしたりするわけなのでそれが何に繋がってるのかはよくわからない。でもAIや文明が発達して生産性が10倍になったとき、じゃあ10倍成果出せますよね、という社会では疲れ果ててしまう。技術が進化した分だけ人間はゆとりを持てる。そんな形でゆるく時間を過ごせたら良い。
かっこいい服と自分に似合う服は違う
すっかりオーディション番組「THE LAST PIECE」にハマっているが、社長でプロデューサーのSKY-HIが何度か言っていた言葉が「かっこいい服と自分に似合う服は違う」。曲を自分たちで作るクリエイティブ審査のなかで出た言葉だが、ファッションでも音楽でも、そして普段の仕事でもこれは当てはまる。
同僚や先輩、SNSで活躍している人などを見ると憧れる。自分もそうなりたいと思うが実際には難しい場合が多い。それは自分の積み上げてきたものとその人のストーリーがあまりにも違うから。ずっと自宅でひとりで技術と向き合っていた人が、毎週有志が集まる勉強会を主催している人にいきなり変わるのは難しい。エッセンスを何割か吸収することはできる。でもあくまで自分と向き合い、自分にあった形で取り入れる必要がある。
もう一つ好きな言葉が「ハンデすら美点」。これはSKY-HIではなく候補者のひとりが曲の中で歌っていたフレーズ。その候補者は小学四年生のときに吃音症を「獲得」して歌を届けるのを諦めていた。しかし今また挑戦し、得意のダンスに伸びてきた歌の実力が合わさって高い人気を得ている。こんなに明確じゃないにせよ、誰もが自分のコンプレックスを抱えている。嫌だ嫌だと遠ざけても自分から離れることはなく、一周回ってそれを自分の特徴と捉えられた時に自分らしさの武器に変わる。この切り替えはとても難しくて長い時間を要するが、前を向けたときは受け入れられた自分の度量が少し大きくなっている。
自分の技術を伸ばす
チームで仕事に取り組むときは連携やコミュニケーションに気が取られがちだが、自分のスキルを伸ばすことも忘れずにいたい。その仕事に取り組む前と後で何が身についたのか?その仕事が自分にとってどういう経験になるのか?たまに立ち止まってこういうことを考えたい。
チームの成果を最大化するのはもちろん重要でサラリーマンの務めだが、チームの成果は水物で自分が頑張ったら確実に挙げられるというものでもない(確率は最大化できる)。自分がガムシャラに頑張っても上手くいかない場合もあり、そうなると燃え尽き症候群になってしまう可能性もある。そんな時でも自分の技術の向上に注目すればそれは基本的に前進する。個のスキルが高まっていれば次の挑戦ではうまくいく可能性は高まっている。そういう発想でよいのではないか。「チームのために」は美しいが時々窮屈になる。
自分のスキル向上を狙うのは長期的に自分に投資することになる。時給1,000円でも長時間働ければそれなりにリターンは得られるが、技術を高めればこれを時給10,000円にできる。そうなると10分の1の時間で同じ価値を提供でき、残りの余白の時間をまた勉強に充てられる。自分は最近業務委託として働いている。一般的には成長できる仕事は社員に与えらえ、業務委託に与えられるのはスキルの切り売り的な内容が多くなる。忙殺されずに技術を磨くには意識的により良い方法を常に探さないといけない。負のサイクルに陥った後では木こりの斧を磨く時間は確保しにくい。
AIツールが毎日のようにリリースされる今日この頃。自分は最新の情報をキャッチアップしてるわけでもなく、専門的な知識を有しているわけでもない。しかし自分のサービスの課題に一番詳しいのは自分。課題解決のために使えそうなものを仕分け、試すことは続けていきたい。今だと品質担保に興味がある。Vibe Codingで開発スピードは加速度的にあがっているが、それを受け入れる人間側の仕事は膨れ上がっている。これを解消するような仕組みを作りたい。それに役立つものはないかという目線で毎日のニュースを見ていると、莫大な情報のなかに自分の欲しいものが意外と見つかることがある。
自分なりの考えが固まるとその道から外れにくくなる
若かった頃は自分なりの「軸」を持つことに憧れた。社会人になって15年ほど経ち、何が美しく何がピンと来ないかを理解できるようになってきた。それと同時に世界の狭まりも感じる。自分なりの考えやセンスを持つことはどういうことなのか?
考えるキッカケとなったのは個人開発者のコミュニティみたいなもので、そこに所属して相互にXをフォローしてフォロワーを増やそう、という呼びかけだった。個人開発は作るだけじゃなくて宣伝も自分でしないといけない。個人がお金をかけずに広める方法はそんなにパターンはなく、Xのフォロワーがいることは確かに有利に働く。なのでこういう取り組みが盛り上がることに理解はできるが、自分がそこに飛び込むことはできない。それは自分らしい方法じゃないとか自分のセンスに合わないとかそういう理由で、こだわりが出来たせいで選択肢が狭まっている気がしている。
突き詰めると主義・スタイルの違いかもしれない。例えば自分がカッコいいと思える音楽を追求して売れるアーティストもいれば、TikTokでバズりやすい曲を作って売れるアーティストもいる。SNSで誰でも発信できるようになった現代では、まず目立って人気になってから実力をつける場合もよくある。ゴールへの道は一本道じゃなくていろんなルートがある。どの道にも共通するのはコツコツ続ける大事さで、継続するという意味で自分が納得できる道を選ぶのは大事な要素になる。
「ダグラス・アダムスの法則」というものがある。
- 人は、自分が生まれた時に既に存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる
- 15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは、新しくエキサイティングなものと感じられる
- 35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる
例えば自分は位置情報を常に友人と共有することには抵抗があるし、BeRealはやっていないし、カップルYouTuberは観ていない。こういう感覚のズレはすでに起きていて、ここから広がることはあれど狭まることはない気がする。コミュニティで相互フォローを増やすことはクールじゃないと今は思っているが、若い世代では全然感覚は違うのかもしれない。自分のこだわりが少しずつズレているんじゃないか、という怖さはいつでも付きまとう。