タスクを細かく分割する
調べ物でもプログラミングでも巨大なタスクに一気に立ち向かうのは分が悪い。いきなり着手せずに小さなステップに分け、ひとつずつクリアしていく。複雑な問題を単純な問題の組み合わせに分解する。実際最近の賢いAIモデルはこうやって動くようになっている。人間から与えられた指示をステップに分け、その各ステップのひとつずつをこなしていく。
前職で一時期一緒に働いていた先輩が、新メンバーの面倒を見るというのは餌を食べられるサイズに千切って渡してあげることだ、と言っていた。個人的には好きな表現ではないが、AIではなく人に依頼するときも同じような力学がある。そして適切な分解は全体像を把握できてないと難しいのでシニアレベルの仕事になる。仕事の流れを整えたり、どこから手をつけたらよいかわからないものを具体的なタスクに落とし込むところにセンスが光る。
こんなことを考えていたら、先日読んだ漫画「ワールドトリガー」の最新刊にほぼ同じ内容のことが書かれていた。ステップを刻むこと、自分の力量にあわせて課題を設定すること。別の実践書「ゾーンに入る」によると、人間は向き合っている課題の大きさがちょうど良いときに最高の集中力を発揮できるらしい。ちょうど良い大きさとは頑張ればギリ超えられる壁のこと。良いタスク分解ができれば集中力があがり、それを乗り越えて自信もつき、ポジティブなサイクルが回り始める。壁に直面したときはそれが自分に適切な高さの壁なのかを自問したい。
◯◯くんの言いたかったことはこういうことだと思います
小学校の教室には「言えるようになったら良い7つのこと」なるポスターが貼られており、その七番目にあったのが「◯◯くんの言いたかったことはこういうことだと思います」。確か一つ目は「名前を呼ばれて返事」とかだったので後半ほどレベルの高いことが書かれている。真面目だったので出来るようにならねばという気持ちがあったが、この最後のはついぞ出来ないまま卒業してしまった。そして今もまだできていない。
相手の発言の意図を読んで理解するのは人生でも最難関の難しさである。これが出来ずに人の気持ちを誤って捉えてしまうからこそすれ違いが絶えない。人は全員違うので完全に分かりあうことはできない。分かる度合いを高めるためには対話しかないが、この対話もまた遠慮や立場、感情などが入り混じって素直に行うのは難しい。外から見るとシンプルな問題でも本人からすると複雑になってしまう。それでも分かりたいのでできるだけ真摯に話す。察する力、聞く力を少しでも磨こうとする。
フルリモートで家から働くようになり、ランチなどで顔を合わせる機会もなく物理的な距離も離れた。趣味や興味も多様化して各自の世界が細分化されてきているようにも感じる。相手と同じでなくても良いが、お互いの言い分を理解して橋を架ける仕事。自分の意見はそのままで良いが、川の対岸までは来て耳を傾ける姿勢は忘れずにいたい。
M-1ツアーに行った

「M-1グランプリ2024スペシャルツアー」を観に行った。M-1の決勝、準決勝まで進んだメンバーが全国を回るお笑いライブ。場所によって参加メンバーは異なるが、大阪開催のものをみると観たい組が多かったので抽選申し込み。無事当選して観覧できることとなった。
会場があるのは中之島という場所で、立地的に駅から少し歩く。駅を降りた時点で周りに似たような雰囲気の人が多数。歩く方向も同じなので目的地は一緒だなと確信する。みんな楽しそうに話しながら歩いている。お金を出して笑いに行くくらいだからそりゃハッピーだよね、と前に別のお笑いライブに行ったときと同じ感想を抱く。
バッテリィズにはじまり豪快キャプテン、ジョックロック、真空ジェシカあたりが目当てだったが全組面白い。一番好きだったのは家族チャーハン。M-1予選動画で面白かったので楽しみにしてたけどめちゃ面白かったです。
M-1はいわゆる賞レースと呼ばれる4分の競技漫才だが、ライブは待ち時間8分のもっとゆるいカタチ。さっきあったことを面白く話したり他の組が乱入したりと、お笑いラジオ好きとしてはとても楽しかった。ちなみに真空ジェシカは時間無視して15分くらいネタをしていた。楽しく笑えて良い時間でした。
人生の伏線を回収する
生きているといろんな経験をするが、その経験の意味づけは未来の自分がするという考え方がある。その経験は当時は辛いものだったかもしれないが、それがあったら今の自分がいる、と前向きに解釈できればそれは伏線回収できたといえる。
ブクログやCAMPFIREなどの人気サービスをつくった家入さん。いろんなサービスを作るなかでヒットしないものも当然なったが、それは失敗ではなく「やりかけ」という表現が合うと何かのインタビューで言っていた。その時の時代背景やスキルでは花咲かなかったが、別のタイミング・別の方法で再チャレンジする可能性が常にある。個人の体験としても一生懸命考え抜いたものはその時上手くいかなくても思わぬところで活きてくる感覚がある。
週末に確定申告をしていたが、そこで書類をまとめるのにポストイットをよく使った。ポストイットが接着しにくい糊を作ってしまった失敗から生まれた発明だという話はよく耳にする。偶然がひらめきを生むこともあるが、それも真剣に向き合って考えるという前提条件があると思っている。
サポートがユーザーをファンにする
メモの置き場としてGmailを使っている。誰かに聞いたおすすめ本、忘れたくないTODO、Webサービスのアイデアなど色んなものをすべて自分宛にメールで送る。定期的に受信箱を上から見ていって、そのメモが完了したらアーカイブして整理する。本当はそれぞれの登録に最適なサービスがあるだろうが、メモする時点でカテゴリ分けを考えるのも面倒なのでこの方法が定着した。メールならパソコンからでもスマホからでも送れるので環境も選ばない。
自分にメールを送るアプリとして「Note To Self Mail」というアプリを使っている。このジャンルではCaptioという人気アプリがあったが最近サービス開発が終了。代替となるものを探して、一番操作感の良いこのアプリに切り替えることにした。
Macにもこのアプリを入れてるが、頻繁にメモするのでショートカットでメモを送信する機能が欲しいと思って問い合わせてみた。数時間後に返信が来て、「Cmd+Sでできるよ!でも提案してくれたCmd+Enterでの送信も直感的だと思うので検討するね。気に入ったらAppStoreでレビューを書いてね!」と書かれていた。すでにある機能の案内、要望の受け止め、返信の早さなどなんとなくカンジが良く、AppStoreのレビューを書いた。元々気に入っていたアプリではあったが、こういう体験があると単なるユーザーからファンに近づく。
昔Smoozというブラウザアプリを使っていたが、要望を送ると創業者の方が自らすぐ返信してくれ、その後機能追加されるとまた連絡をくれて良いサポートだなと思った記憶がある。ファンになれば長い間使い続けてもらえるし、良い体験は人に話したくなるのでサービスを広げるのにも一役買うことになる。新卒の頃にザッポス伝説を読んで顧客ファーストがつくる面白い世界に感銘を受けた。こういう経験はいつまでも覚えている。