周りに雑音があると集中できる
静まり返った自分の部屋より多少ざわつきのあるカフェなどの方が個人開発が捗る。そういえば学生時代もリビングでテスト勉強していた。誰かがテレビを見ている音を聞きながら勉強する。そんな風に過ごしていた。
静かな空間は集中はできるが、逆に集中しすぎてすぐに疲れてしまう。多少雑音がある方が7割くらいの力で長続きする。部屋で一人で作業しているとき、張り詰めている分休憩時に一気にトーンダウンする感覚がある。カフェだと休憩からすぐに戻れる。家と比べて周りに娯楽や誘惑が少ないのもあるが、集中の濃度が関係している気がする。
しかし最近はテレビや動画を観ながらのプログラミング開発ができなくなってきた。映像や音に注意を奪われてまったく集中できない。不思議に思っていたが、最近読んだ本によると人間は大人になるにつれてマルチタスキングが苦手になっていく生き物らしい。確かにいろんなことを並行に考えるのが年々苦手になってきている。逆に大人になって伸びるのは知恵や知識。抽象的なものを組み合わせて問題を解決する能力は年々高まるらしい。できなくなることがあれば新たにできるようになることもある。変化に抗わず、その上にうまく乗っていきたい。
AI時代はインターネットが資本
引っ越してからすこぶるインターネットの調子が悪く苦戦している。平時にはそこそこ速いのだが、定期的に通信が悪くなって1分ほど繋がらない時間帯ができる。仕事のミーティングが途切れたりYouTubeの動画が止まったりと体験がよろしくない。今は有線LANを繋いで急場を凌いでいるが、ケーブルの長さの関係上玄関で仕事しなければならず、完成系には程遠い。
ネットの調子が悪くて困ることにAIの利用がある。Copilotという開発補助ツールがあり、これはエディタにほんの少しのソースコードを書くと続きを予測して補完してくれる。Copilotは革命的ツールで、どういう処理を書きたいかを日本語で書けばその通りに実装してくれ、しかも正答率もかなり高い。Copilotは副操縦士の意味だが、人間が確認してAIが主にコードを書くようになったのでMain Pilotではないかというジョークも生まれている。
Copilotはテキストを打ち込むたびに書いたコードをサーバーに送り、AIが続きを予測して返し、それを受け取って表示している。この往復が10秒くらいかかると遅すぎて一気に使えないツールと化す。1-2秒ですぐにアシストされるからこそ価値がある。ボタンを押すなど明示的にこちらが指示するわけではなく、コードを書いたら自動的に動くのがCopilot。なのでインターネットの調子が悪くてもエラー文は表示されず、ただ補完が出ない状況になる。こちらとしてはAI待ちの気持ちなので無の時間が流れ、少し経ってCopilotの不在に気づく。少し寂しい。インターネットの速度は(いまのところ)AI体験にとって重要な要素になっている。
ポイントカードの苦痛
レジでポイントカードを持っているか聞かれるのが苦痛である。コンビニでも専門店でも毎回聞かれるが毎回持ってない。気持ちとしては最速でレジを終えたいので「カード持ってないです」と先に伝えたりするが、百貨店のポイントだったり駐車券だったり別のものを尋ねられて結局やりとりが発生する。レジ袋も同じ。袋がいる人だけ申告する形に日本で統一してほしい。
この感覚、意外と周りの人に話しても同意を得られない。手間ではあるけどそこまで気にならないらしい。エンジニアの知り合いに聞くと高確率で面倒に思っている。効率化を追求する姿勢に関連がありそうだ。エンジニアの仕事では無駄なフローは極力なくし、どうしても必要なものだけ残すのが良いとされがち。この観点で考えるとレジ袋やその店の会員カード、楽天ポイントなど次々とステップが増えている気がして心地悪い。放置してると基本的にはプロセスは増えるので誰かが定期的に見直さねばならない。レジ業務を定期的に見直している人はいるのだろうか。
解決策としてはセルフレジの拡充でも良い。セルフレジなら会話のラリーは発生しないし、音楽やPodcastを止めずそのままシームレスに行動できる。バーコードにかざしたり袋に詰めたりするのは割と好きなので苦ではない。しかしセルフレジだと困る人もいるので、有人レジが優先して設置されるのも理解できる。悩ましい。
せめてレジ袋の値段はサイズによらず統一してほしい。たまにレジ袋を買うとき、どのサイズにするか選ばされるがパッと見では判断できず無駄に脳みそを使う。この商品が入るだけのサイズを勝手に選んでくれよと思うが、聞かれるのは3円や5円とサイズごとに金額が違うためだと思っているので一律3円とかに国が定めてシンプルにしてほしい。スタッフはマニュアル通りに働いてるのでまったく悪くない。もう少し上のレイヤーで取り組んでほしいと切に願っている。
中道を行く
守りに入った案には現状維持が過ぎると言い、攻めた案にはリスクを指摘する。絶対にこうだという自分の意見があることは少なく、全体を見たときに考慮が足りてない部分が目につく。悪く言えば粗探しで、否定ばかりの自分の行動を何か間違っていると思うことも多かった。
しかし世の中に白黒をつけられることは意外と少ない。両極端を選ぶことは少なく、大抵は中間のグラデーションの部分に結論を出す。そう考えると粗探しに思えたものは検証で、そのアイデアが当てはまらない反例を思いつくかどうかを考えているというのが実態に近い。Aが悪くてBが良ければ全員Bを選べるが、実際はAもBもそれなりに良い。AとBそれぞれのエッセンスを理解すれば、AとB両取りする方法が見つかるかもしれない。
私たち人間は曖昧なものが苦手で、はっきりした線引きがいつでも欲しくなる。これはOKであれはNG。ルールがあれば従うのは簡単に思えるが、線引きをすることでグレーゾーンが生まれて次はそこが争点になる。守りの部分として規則はある程度必要だと思うが、サービス作りなどで前向きに話し合う場面ではもう少し曖昧さを残したい。役割で区切らず自由に意見を出す。熱量の高い人の意見を聞く。スペシャリストを繋ぐジェネラリストのような役割では、特にそういったボール回しが大事な気がしている。
水泳を再開した
引っ越してからしばらく行けてなかったが近所の施設を契約して再開。水から出るときに体が重くなる感覚があり、毎週通っていた頃より体力が落ちたのを実感する。
以前は公共の施設に行っていたが今回は企業の経営するプールジムで規模が大きい。水泳のレーンも多く、プールエクササイズの教室が開催されていたりして人の出入りが激しい。お風呂やサウナがついていたりとリッチではあるのだが、自分としては小じんまりした空間の方が居心地がよかったなと思う。需要を満たすちょうどでよくて、それを超えて便利だと使いこなせない申し訳なさを感じてしまう。
水泳は一年以上続いていた習慣だったが、引っ越しによる環境変化でいとも簡単にストップしてしまった。そして一度止まるとなかなか再開できない。人間には慣性があり、動いていれば動き続け、止まっていれば静止し続ける。特に施設を探したり契約プランを選ぶのは腰の重い仕事。引っ越してからいつかやろうと思っているとなかなかそのタイミングがこないので、次回は引っ越し前に契約してしまい、すぐ通い始められる状況にしてから引っ越すというのを試したい。通う場所が変わるというのはただでハードルが高い。契約というハードルだけでも先に終わらせてしまえばいくらかマシな気がする。
さて、運動するとやはり気持ちがいい。健康に良いのはもちろん、頭もよく回り心も晴れやかになる気がする。この真冬の寒い中、義務でもないのに外に出て施設まで行っている時点ですでに一勝している。ゾーンはリズムだという話を聞いてから「よい日を増やす」というのを今年の目標にしているが、体を動かすことはよい日の大事な要素になっている。